今回紹介する本は、草薙 龍瞬さん著『CLEAN こころを洗う技術』です。
ブッダの教えをもとに現代における心の整え方が紹介されています。
現代は情報が氾濫しています。現代人の心はそれに惑わされ、自分がいったい何をしたいかが分からなくなっています。
また、これまでに育ってきた環境の影響から思い込みや考え方が染み込み、思うように生きられず苦しんでいる人も多いものです。
この本はそうした人に対する楽に生きるヒントを与えてくれます。
現代に生きることが苦しい、楽しくない、思うように生きられないという人は、ぜひこの本を読んで楽に生きるヒントを得てみてはいかがでしょうか。
この記事では、この『CLEAN こころを洗う技術』から特に大事だと思った箇所をピックアップして紹介します。
では、『CLEAN こころを洗う技術』を紹介していきましょう!
目次
『CLEAN こころを洗う技術』 〜 オススメしたい人
冒頭部分でも書きましたが、この本を特にオススメしたいのは次のような人です。
- 周囲を気にしすぎて、自分がどのように生きたいのか分からない
- 考えすぎてしまうのをなんとかしたい
- 生きていくのが辛い、苦しい
『CLEAN こころを洗う技術』 〜 著者紹介
あらためて、今回紹介する本はこちらの本です。
著者である草薙 龍瞬さんは仏教僧侶の方で、ミャンマー国立仏教大学、タイの僧院に留学を経て、現在では宗派に属さず、実用的な「仏教」の本質を生き方全般にわたって伝える活動をされている方です。
この本では、その草薙さんが仏教に基づいた現代を楽に生きる方法が紹介されています。
自分らしく生きるための心の整え方とは?
現代は情報が氾濫しすぎています。また日本で育ってきた環境から、常識だと思われる思い込みや考え方が染み込んでいます。
昔はまだそれでよかったのかもしれません。でも、現代においてはそれらの情報が自分を苦しめ、思うように生きられていない人はたくさんいます。
では、なぜ思うように生きられないのでしょうか。それは、周りに影響を受けすぎているからです。ボーッとしていれば、テレビでは犯罪など負の情報が放映され、Twitterを見れば誰かが誰かを罵倒するような投稿が見られます。
そういう情報を毎日見ていては、自分がどんな風に生きたいのか、何をしたいのかなんて分からないでしょう。他人の情報ばかり見ているのですから。
だとしたら、どうすれば思うように生きられるのでしょうか。そのヒントがこの本には書いてあります。
人はなぜ苦しむのか?
人はなぜ苦しむのでしょう。
それは、頭であまりにいろんなことを考えすぎているからです。
それを著者の草薙さんは「心がクリーンでないから」と書いています。そして、その理由には大きく3つあり、そのうちで大きな理由の一つが焦りや不安、苛立ち、そして過去への未練や執念などにあると書かれています。とにかく人は、こういうことを頭のなかでいろいろと考えすぎだということです。だから、人は苦しむのです。
では、これに対して何か対処方法はあるのでしょう。
苦しみを作らないためには、とにかく脳が反応することを止めること
人が苦しまないためには、先ほど紹介した頭での考え事を減らすことが大事です。では、その考え事を減らすにはどうしたらいいのでしょうか。
それは、何か目の前で起こったことに対していちいち反応しないことなんですね。
草薙さんは、苦しみが生まれるプロセスとして以下のように体系化されています。
②外の世界に触れる。
③反応する。
④結生する-強く反応することで、衝動や欲求が湧く。感情的になる。記憶に刻まれる。
⑤執着する-生まれた反応が持続する。「炎が燃え続ける状態」と化す。
意識と心という言葉が出てきたので分かりづらい人もいるかもしれませんが、要はまず意識があり、心がうまれ、その後、自分以外の世界に触れ、そして、いろんな心の反応が生まれていくということです。
②の段階ではまだ反応していないため、苦しむことはありません。でも、③で心が反応することにより、いろんな思いが生まれ苦しみを生んでしまうんですね。
だから、なるべく②→③に移行しないようにすることが大事だということです。
では、それはどうしたらいいのでしょうか。
自分の今現在の行動に集中する
今、世界中でも話題になっている「マインドフルネス」。今やグーグルやアップルでも取り上げられているほどです。もともとは禅から発祥しているものですが、簡単にいうと「今この時に集中する」ということ。過去や未来を考えることによって生まれる雑念を追い払い、今この時に意識を集中させようとするのが「マインドフルネス」の考え方です。
では、今この時に集中すると何がいいのか?それは、過去や未来といった、今この時に起こっていないこと(いわゆる妄想)を考えないようにするため、過去に対する苦しみや未来に対する不安などが生まれなくなることです。
そうするといらないことを考えないようになるため、頭もスッキリしてきます。そして、スッキリするのでアイデアなども浮かびやすくなってくるというわけです。グーグルやアップルが「マインドフルネス」を取り入れているのも、こういった効果を狙ってのことです。
だから、「苦しみを生まないためにどうしたらいいのか?」に対する答えは、今この時に集中するということです。
そのためには、瞑想することが一番の方法です。実際に僕も毎日瞑想しているのでオススメできます。
でも、瞑想するのが辛い人、瞑想する時間がないという人もいるでしょう。そんな人に対して、草薙さんは次の方法を紹介しています。
それは「ラベリング」です。ラベリングについて、草薙さんは著書のなかで次のように説明されています。
ラベリングとは、言葉を使って客観的に、今自分がしていること・今やろうとしていることを確認することです。たとえば、
〇歩いているときは、「わたしは今歩いている」と意識する。
〇ホームで電車を待っているときは、「電車を待っている。駅に立っている」と自覚する。
〇パソコンで作業を始めるときは、「作業を始めます」と確認する。
一見簡単そうですが、実際にやるとこれが結構大変なんです。
というのも、人というのは1日に6万回も考えごとをしていると言われています。だから、普通に歩いていてもすぐに考えごとをしてしまいます。
このラベリングをしていても、すぐに考えごとが浮かんできてしまい中断されてしまうんです。だから、最初は結構大変です。
しかし、この「ラベリング」は、今この時の状態だけを意識するため、やっていると少しずつ余計な考えごとが少なくなってきます。僕も実践してみて効果がありました。
これを意識して続けることにより、だんだんと余計な考えごとをしなくなるため、苦しみも生まなくなってくるというわけです。
妄想をいかに消せるか
人が苦しまないために大事なことのもう一つに、妄想をいかに持たないかということがあります。
人というのは妄想の塊です。自分が苦しむのは、この妄想があるためといっても過言ではないでしょう。
妄想とは、今この時に起こっていないことをいろいろと考えてしまうことです。言ってみれば、今この時には起こっていなし、必要のないこと。
でも、人類の歴史から考えると、妄想することによっていろんな発明を生んだり、将来に対して備えもできてきたので、あながち悪いことばかりでもありません。
ただ、その妄想が多すぎると、結局その妄想に振り回され、自分を苦しめてしまうことになってしまうのです。
だから、苦しみをなくすためには、その妄想をできるだけ消すことです。
でも、これがさらに難しい。人は先ほども書いたように妄想の塊なので、気づかないうちに妄想しています。
だから、まずはその妄想に気づくこと。そして、気づいたら先ほどの「ラベリング」をやって、今ごの時に集中するようにすることです。
ただ、そんなに簡単ではない世界。でも、やってみることで何かが変わる!
ここまで、人が苦しむ理由、そして苦しまないための方法として、この本に紹介されている「ラベリング」という方法を紹介してきました。
ただ、これらの方法はそんなに簡単にできるわけではありません。というのも、それまで育ってきた環境で染み込んできた思いこみや考え方などがあるからです。特に妄想は、こういった思い込みや考え方があるために生まれてくるものです。
でも、それを承知の上でこの方法に取り組んでみることが大事ではないでしょうか。続けているうちに、きっと何か発見があるはずです。(これは僕も実証済みです)
そして、そうすることで自分自身の苦しみが薄れてくるでしょう。
また、この本には今回紹介した「ラベリング」以外にも、自分らしく生きるためのメソッドがいろいろと紹介されているので、それらを生活に取り入れていくうちにだんだんと苦しい生き方から解放されていくことでしょう。
あとがき 〜 現代人に必ず必要な仏教の教え
今回は、草薙 龍瞬さん著『CLEAN こころを洗う技術』を紹介してきました。
この本の中で紹介されていることは、すべて仏教に基づくものです。仏教とは、現代人にも通じる教えを説いている素晴らしい宗教です。
ただ、日本人のほとんどは仏教を信仰していながら、仏教のこうした教えをあまり知らないのではないでしょうか。こうして記事を書いている僕もその一人でした。
でも、この本を含め、仏教に関するいろんな本を読んでいるうちに、信仰している人だけにとどまらず、仏教は世界の人が共通して学ぶべき教えを説いている宗教だと思うようになりました。
宗教というとちょっと怪しい雰囲気を感じる人もいるかもしれません。でも、仏教はそうではありません。人が幸せに生きるための方法が説かれているのです。
だから、まずは今回紹介した『CLEAN こころを洗う技術』をきっかけに仏教に興味を持ってもらい、たくさんの人に仏教の教えを自分の生活の中に取り入れてほしいなと思います。
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