今回紹介する書籍はHRインスティチュート著『図解 オンライン研修入門』です。
2020年春に蔓延し始めた新型コロナの影響で、テレワーク勤務を採用する企業も増えてきました。
そんななか、企業内研修も「オンライン研修」という形にするところがこれから増えてくるでしょう。
この本はそんなオンライン研修について紹介されている一冊です。
本の中では、主に開催する側の視点で研修計画から実施時に必要なこと、アフターフォローなどについて紹介されています。これからオンライン研修を始めようとしている企業にとってピッタリの一冊でしょう。
また、受講者側もオンライン研修とはどんなことか理解できるでしょう。
今回はその中から、この本を読んで分かったこれまでの研修との違いやオンライン研修について気づいたことを紹介していきます。
なお、今回は 株式会社 ディスカバー・トゥエンティワン様 よりご献本いただきました。
では、紹介していきましょう!
目次
図解 オンライン研修入門 〜 著者紹介
あらためて、今回紹介する書籍はこちらです。
著者となっている HRインスティチュートは、1993年に設立された経営支援、組織・人材開発を主とするコンサルティング会社です。
ビジネスコンサルティング&研修プログラムの企画・開発・実施までを一貫して行なっており、オンライン研修についてもクライアント様やパートナー企業に対して企画・検討・実施・検証を繰り返し実施されています。
この本ではその実績をもとに、これからオンライン研修を始めようとしている企業、担当者の方に向けて、研修計画から、実施、アフターフォローまで必要なことが紹介されています。
まさに、これからオンライン研修を始めようとしている企業にとって、入門書としてふさわしい一冊となっています。
この本の特徴
冒頭に書いたように、この本はオンライン研修を受講する側よりも主催する側に重きが置かれています。
ただ、受講側もオンライン研修について理解できますし、これから自らがオンライン研修主催側になるかもしれない人にとって、事前準備として十分に活用できるでしょう。
これまでの企業研修とオンライン研修の違い
ではここからは、この本を読んで分かったことを紹介していきます。
まずはこれまでの企業研修とオンライン研修の違いから。
僕は以前、会社員として働いていましたが、その当時の企業研修は受講生が一箇所に集まって研修を受ける「集合型研修」がほとんどでした。
集合型研修のいいところは、受講生が一箇所に集まるので連帯感が生まれること。また、他の受講者の人たちと休憩時間などにコミュニケーションが取れるため、新たなつながりを作れることでしょう。
ただ、研修会場に行かなければいけないため、長い時間仕事から離れなければいけないことと、交通費がかかってしまうことは欠点でもありました。
特に研修は都市部で開催されることが多く、都市部から離れた地域に住んでいる人は旅費が高額となっていまうこともあり、簡単に受講できませんでした。
しかし、新型コロナが影響し、こういった集合型研修はあまり行えなくなりました。
そこで、会場に集まる必要がない「オンライン研修」が広まってきたというわけです。
オンライン研修は研修会場に行かなくていいので、移動時間や交通費は必要ありません。
集合型研修にあった時間の制約、場所の制約、お金の制約がオンライン研修ではなくなるというわけです。
Eラーニングとオンライン研修の違い
オンライン研修に似たもので「Eラーニング」があります。
どちらもインターネットを使った研修スタイルですが、Eラーニングは研修コンテンツを自分の勉強ペースに合わせて視聴して学ぶものです。
一方、オンライン研修は一方的に講師の方の話を聴くだけでなく、チャットなどを使い受講生がリアルタイムに質問などできます。
リアルタイムに講師、受講生双方がやりとりできるところが大きく違うんですね。
また、Eラーニングは自分のペースで勉強しなければいけないため、自ら計画して進めないと課題などを溜め込んでいまう恐れもあります。
一方、オンライン研修は双方でやりとりしながら進めていくので、課題をやるのが遅れてしまうといったことは少なくなります。
Eラーニングは時間の使い方が自由である代わりに自己責任で進めていかなくてはいけませんが、オンライン研修は時間の使い方は多少制約があるものの、しっかりと受講できるというところが違うわけです。
オンライン研修の大きな可能性
集合型研修、オンライン研修、Eラーニングとそれぞれメリット・デメリットがあり、これが一番!というものはありません。
リーダー昇格時研修や実務を伴う研修などは、どこかに集まって行ったほうが効果的でしょう。
それぞれのメリット・デメリットを捉えた上で、それぞれを活用するのがベストと言えます。
ただ、この本を読んでオンライン研修には大きな可能性があることに気づきました。
それは、研修時のデータが蓄積されていくということです。
オンライン研修では、チャットを使って講師の方とやりとりすることができます。それは文字を入力して行うのでデータとして蓄積されます。
また、議論の内容や課題の結果もデータとして残すことができます。
研修の主催者はこういったデータを活用することにより、さらに研修を充実させることができるでしょう。
これまでも集合型研修で間に質問タイムがあったり、最後にアンケートを取るなどしていました。
しかし、こういったものはデータとして残っていないことが多く、あまり有効活用できていなかったのではないでしょうか。
オンライン研修ではそういったものがデータとして蓄積されていくので、それらを有効活用できるわけです。
また、今後AIが発達してくると、こういったデータをAI分析することにより新たな研修内容が生まれてくるかもしれません。
オンライン研修は、時間と場所の成約を受けない利点があるとともに、こういった可能性があるということに、この本を読んで気づきました。
また、これらは研修の主催者にとっての可能性ですが、受講者にとっても大きな可能性があります。
それは、有名な講師やハイレベルの研修など、これまで都心部でしか受講できなかったような研修は、旅費などの問題もあり地方の人はなかなか受講できませんでした。しかし、これからは地方の人もそういった研修を手軽に受講できるようになるでしょう。
これまでは都心部と地方との情報格差があり、先進的なことは都心部のほうが有利でした。しかし、これからはオンライン研修によってこういった情報格差が少なくなり、地方でも都心部と同じような先進的なことが生まれてくる可能性があります。
新型コロナの影響でこれから広まっていくであろうオンライン研修ですが、大きな可能性を感じました。
まとめ 〜 ニューノーマル時代に増えていくオンライン研修を学べる一冊
今回は『図解 オンライン研修入門』を紹介してきました。
これからのwithコロナ、ニューノーマル時代において、オンライン研修はますます増えていくことでしょう。
そういった意味でこの本は、これからオンライン研修を主催したいという方々にはもってこいの一冊です。
この記事ではオンライン研修の基本部分を紹介していましたが、書籍のなかではオンライン研修の計画や必要な設備、研修の進め方など具体的なことが紹介されています。
この本を参考にすることで、オンライン研修を開催するために必要なことが学べます。
また、研修の受講者にとっても、オンライン研修を理解する上でもオススメです。
これからの研修のあり方として、ぜひ一度読んでおかれることをオススメします!
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