今回紹介する本は、須藤 亮さん著『スマホメモ 仕事と人生の質を上げるすごいメモ術』です。
みなさん、メモは取っていますか?
仕事をしている人であれば、業務上必要な情報などをメモしている人も多いでしょう。
メモの方法も様々です。
これまでの一般的な方法はメモ帳やノートなどアナログ的にメモする方法ですが、今は仕事でパソコンを使うことも多いので、ソフトを使ってメモしている人もいるのではないでしょうか。
そして、今や誰でも1台は持っているスマホ。このスマホのアプリを使ってメモしている人も多いでしょう。
今回紹介する『スマホメモ』は、まさしくそのスマホを使ったメモ術を紹介している本なんです。
ただ、単純にスマホにメモしていくだけではなく、この本にはそのメモを活用していく方法が紹介されています。
これまでスマホでメモしていなかった人はもちろん、スマホでメモしていたもののそのメモをうまく活用できていなかった人も、この本を読めば新しいスマホのメモ術を知ることができるでしょう。
そのメモ術とはどんなものなのか?
さっそく紹介していきましょう!
目次
スマホメモ 仕事と人生の質を上げるすごいメモ術 ~ 著者紹介
あらためて、今回紹介する本はこちら。
著者である須藤亮さんは、マーケットプランナーの職をもち、株式会社TOM代表取締役社長として活躍されている方です。
大学卒業後、広告代理店である博報堂に入社。この会社でマーケティング職、ストラテジックプランニング職として35年間勤務され、大手のクライアント企業を担当されてきました。
この博報堂勤務中に本書の「スマホメモ」を実践。その後、博報堂は退社され、株式会社TOMを設立し、さまざまな企業のコンサルティングや地方創生業務などに従事されています。
この本には、博報堂時代に考案した「スマホメモ」について、その方法や活用法が紹介されているのです。
本書で紹介されているスマホメモとは?
スマホメモってなんでしょう?
名前から想像がつくと思いますが、文字通り「スマホを使ったメモ」です!
ただ、この本で紹介されているのは単なるメモではありません。自分の脳が考えたことの備忘録としての役割を持っているメモです。
この本のなかでは、次のように書かれています。
スマホメモとは、星の数ほどある、浮かんでは消える脳の思いつきを文字に落とすことです。
人間というのは1日に7万回以上(回数については諸説あり)思考していると言われています。ただ、そのことを意識している人は少ないのではないでしょうか。
その思考のなかには、仕事に重要なアイデアが含まれているかもしれません。今後の人生における気づきもあるかもしれません。
でも、そういったアイデアや気づきは、その時にメモしておかないと忘れてしまいがちです。
皆さんも経験があるのではないでしょうか?ふとアイデアが思い浮かんだにもかかわらずメモしてしなかったばっかりに、「あの時浮かんだアイデアってなんだったっけ?」と後になって思い返すことが。
人間はたくさん思考しているにもかかわらず、メモしておかないと忘れてしまうものなんですね。
そこで、本書ではそういったふと浮かんでアイデアや気づきなどを、現代人のほとんどの人が常に持っているスマホを使ってメモしていこうということが紹介されているのです。
でも、どのようにメモしていけば、いいのでしょうか?「ファクト+感想・意見」でメモに落とし込む・見返す・俯瞰する
メモといっても、自分が見たり聞いたりしたことをメモすることもあれば、見たり聞いたりして感じたことや気づいたことをメモすることもあるでしょう。
では、この「スマホメモ」ではどちらをメモしていけばいいのでしょうか。
本書では次のように説明されています。
そもそもメモには2種類あって、一つは外部からの情報を書き付けるファクトメモ、もう一つはそれらの情報を整理し、何らかの知恵に結びつける思考メモです。本書で扱うのは後者で(中略)つまり、ものごとを「ファクト+感想・意見」で文字に落とし込む行為です。
どちらもメモしていくということですね。
単に事実をメモするだけではなく、そこで感じたことや気づきをメモすることで、自分にとってのメモになるというわけです。
メモは見返してこそ意味がある
ただ、メモして終わりでは、あまり意味がありません。
重要なのは、このメモを見返すこと。これはスマホだからこそ簡単にできることかもしれません。
紙のメモ用紙であれば、移動中などにめくることは大変ですからね。
一方、スマホだと端末の画面を操作するだけでいいので、簡単に見返すことができます。
見返すことでそのメモを振り返ることができますし、新たな気づきが生まれるかもしれません。
新たなアイデアを生むためにはメモを俯瞰する
新しいアイデアなどを生むためには、たくさんのスマホメモを俯瞰して、それを整理していく必要があります。
ただ、スマホでは総覧することができません。ここがスマホの弱点と言えます。
須藤さんもここではメモ一覧をプリントアウトしたり、ノートに書き出したりしているそうです。
ここだけは、まだまだスマホでは足りない部分でしょう。
とはいえ、今や誰でも手元に持っているスマホを活用するこのメモ術は、紙よりも気軽にできる方法ではないでしょうか。
スマホメモを続けていくうちに起こる変化とは
ここまで本書で紹介されている「スマホメモ」のやり方について紹介してきました。
スマホメモにより、簡単にメモを見返すことができ、それにより新たな発見や気づき、アイデアが生まれる過程を紹介しました。
でも、それ以外にもスマホメモを続けていくうちに、次のような変化もあらわれると説明されています。
思考をメモするという行為であなたの何が鍛えられているのかと言うと、一つはものごとの見方です。何かが起こった時に、それはこういう意味なんじゃないかとか、私はこう思うといった捉え方が、知らず知らずのうちに身についていくのです。
もう一つは、伝え方のセンスです。スマホメモ習慣をつけると、自分が思っていることはどういう表現で表すと適切なんだろうと絶えず考えることになりますから、知らず知らずのうちに、誰にでも伝わるわかりやすい表現をする訓練をしていることになります。
この「スマホメモ」は、単なる事実(ファクト)だけではなく、自分の感想や意見も一緒にメモしておくのでした。
ということは、メモする際に自分がどんなことを考えているのか思っているのかも捉えておく必要があるということ。
結果、続けていくうちに、自分の考え方や捉え方が身についていくということです。
そして、「スマホメモ」は後から読み返すもの。だから、読み返した時に「なんでこんなことをメモしたんだろう?」ということにならないように、自分に対して分かりやすくメモしておかなければいけません。
それは結局、他人に対する伝え方にもつながります。
現代はSNSが発達し、会話ではなく文章で伝える機会が増えています。
その際に必要となってくるのは、文章で伝える力でしょう。
この「スマホメモ」を続けていくうちに、そういった他人に文章で伝える力も身につき、SNSなどでの発信力も上がっていくというわけです。
スマホメモによって、自分の思考が整理され、世の中の価値になっていく
「スマホメモ」により新たなアイデアなどが生まれてくることは、紹介してきた通りです。
また、AIが発達していく近未来において、須藤さんは「スマホメモ」の重要性を以下のようにも説明されています。
弁護士や公認会計士など、高度な専門職と言われている職業までもAIに代替されていく時、それでも人間にしかできない領域、能力は何なのか。いろいろ言われていますが、その一つが発想力。つまり、異質なものと異質なものを掛け合わせ、新しい価値を生む力でしょう。
また、このようにも。
スマホメモで脳の奥底にあったものを限りなく脳の表面に蒸着させ、それをいろんなところに活用できれば、それはあなたの眠っていたポテンシャルを引き出す行為でもあります。
つまり、脳のなかの思考をスマホメモという形で引き出し、それらを融合することにより自分らしい新たな価値観を生み出し、さらにそれが世の中の役にも立っていくということでしょう。
「スマホメモ」は続けていくことで、それだけの価値を生み出す方法なのです。
あとがき 〜 これからの時代の新しいメモスタイルを取り入れてみよう!
今回は、須藤亮さん著『スマホメモ 仕事と人生の質を上げるすごいメモ術』を紹介してきました。
本書で紹介されている「スマホメモ」は、これからの時代の新しいメモスタイルかもしれません。
ただ、「スマホメモ」の唯一の欠点はメモ全体を俯瞰できないこと。俯瞰できないことはメモを整理、集約する上でネックとなります。
ただ、須藤さんはここでは「今後は人工知能(AI)が発達することで、多数のメモとAIがつながり新しいアイデアを生み出す仕組みができるのではないか」とも説明されています。
このような仕組みができあがると、さらに「スマホメモ」の役割は大きくなるのではないでしょうか。
その仕組みができあがるのはまだ先かもしれませんが、その時のために今から「スマホメモ」をつけておくといいでしょう。
「スマホメモ」自体はスマホを持っていれば簡単にできる方法なので、まずはこの本を読んで実践してみたはいかがでしょうか。
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