今回紹介する本は、三坂 健さん著『戦略的思考トレーニング』です。
タイトルにあるように、この本では「戦略的思考」について説明されています。
みなさんは「戦略」と聞いて、まず何を思い浮かべるでしょうか。
「戦争の戦略」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
でも、この本で紹介されているのは戦争における戦略ではなく、ビジネスパーソンならびに個人がこれからの時代を生きる上で重要な戦略です。
この本では、その戦略を実行していくのに必要な「戦略的思考」について、演習問題を交えながら説明されています。
この記事では、『戦略的思考トレーニング』のなかから重要な部分を紹介するとともに、僕の読後の感想を書いていきます。
今回紹介する本は、僕のお知り合いである大杉 潤さん(@alohakcc)を通じて、三坂様よりご献本いただきました。大杉さん、三坂様、どうもありがとうございます。
それでは、『戦略的思考トレーニング』を紹介していきましょう!
目次
『戦略的思考トレーニング』 〜 著者紹介
あらためて今回紹介する本はこちらです。
著者である三坂 健さんは、株式会社HRインスティテュート代表取締役であり、ビジネスコンサルタントとしてご活躍されています。
企業向けの経営コンサルティングを中心に、組織・人材開発、新規事業開発など、様々な支援をされています。
また、各自治体の教育委員会、国立高等専門学校に置ける指導・学習支援にも積極的に関わっておられます。
この三坂さんがご自身の経験をもとに書かれたのが、今回紹介する『戦略的思考トレーニング』です。
株式会社HRインスティテュート公式サイト:https://www.hri-japan.co.jp/
戦略的思考とは?
冒頭にも書いたように、この本で書かれている「戦略」とは戦争におけるそれのことではありません。
では、この本で紹介されている「戦略的思考」の戦略とはどういったことなのでしょうか。
本のなかで次のように書かれています。
戦略とは、人生やビジネスにおいて、納得のいく結果を得、目標を実現するためのシナリオ
誰しも自分の人生やビジネスに対して、ある目的や目標を持っているものではないでしょうか。
この本での戦略は、その目的や目標を達成するための道筋と捉えることができます。
それを達成するための「戦略的思考」については次のように書かれています。
戦略的思考は、「目標に対して強い想いを抱き、それを実現する人のための思考」ということができます。
ポイントは「目標に対して強い想い」を抱いていること。
その上で、その目標に対する道筋を立てる上で必要となってくる思考が、この本で紹介されている戦略的思考と言えるでしょう。
戦略的思考がなぜ必要なのか?
では、なぜ今、この戦略的思考が必要なのでしょうか。
そのことについて、この本では次のように書かれています。
私たちに、なぜ、戦略的思考が求められているのか。それは、常に時代が変化していく中で、今あるものだけを対象に考えていても進化は生まれないからです。また、ルールが変わると、これまでの経営が立ち行かなくなるリスクも存在します。
時代の変化が激しい現代において、目の前のことだけに集中していると、いつの間にか変化が進み、目の前のことが退化してしまっていたということは大いにあります。
特に、昨今の日本企業と世界的企業の成長の差は激しくなってきています。
その原因として考えられるもう一つの思考が紹介されています。
戦略的思考……目標から考える。建設的。中〜長期的。目標の実現までのシナリオ
問題解決的思考……問題から考える。分析的。短期的。問題の解決までのシナリオ
これまでの日本企業は、どちらかというと問題解決的思考だったのではないでしょうか。
お客様の不満や意見などを吸収し、それを次の製品やサービス開発につなげていくということがなされてきました。
ただ、これだと一時的な解決にしかならず、また新たな不満や意見が生まれてくるものです。
そして、同様のことを繰り返し、結果として大きな進化は生まれません。
一方、世界的企業は戦略的思考のところが多いように感じます。
例えば、Apple。有名な製品として「iPhone」があります。
iPhoneを世に出した故スティーブ・ジョブズは、このiPhoneによって世の中を変えようとしました。
そして、今、iPhoneをはじめとしたスマホは、世の中になくてはならない存在になっています。まさにスティーブ・ジョブズがやろうとしていたことが実現したわけです。
これは単に、その時の問題を解決しようとして実現できたわけではありません。
「iPhoneによって世の中を変える!」という強い目標があったから実現できたのです。
これは世界的企業であるAmazonやGoogleなどにも同じことが言えるでしょう。
これまでの日本企業と世界的企業の差を見ても、これからの時代において戦略的思考が必要なことは明らかです。
戦略的思考をトレーニングしよう!
でも、これまで問題解決的思考だった人がいきなり戦略的思考に変えようと思っても、かなり無理があるでしょう。
この本では戦略的思考に必要な考え方や、シナリオを作る上での具体的な分析手法などが紹介されています。
また、ところどころに演習問題も設定されているため、実際に頭で考えながらそれらを学べます。
まさにタイトル通り、トレーニングしながら戦略的思考について学べるようになっているのです。
読書後のぐう的感想
僕は現在、フリーランスとして働いています。
なので、企業の目標というものはありません。
しかし、僕自身の仕事や人生の目標は当然あります。
この本の中では、自身の強みを生かして、どう目標を達成していくかについても書かれています。
全般的に企業のビジネスパーソン向けに書かれている印象ですが、これからの時代、個人が自分らしい生き方や目標を達成していくためにも、この「戦略的思考」は必要となってくるでしょう。
あらためて再読しながら、自分自身の戦略を考えていきたいと思います。
まとめ 〜 ビジネスパーソンのみならず、個人にもおすすめの一冊
この記事では、三坂 健さん著『戦略的思考トレーニング』を紹介してきました。
「戦略的思考がなぜ必要なのか?」のところにも書いたように、これからの時代、企業や個人が目標を達成していく上で戦略的思考は必要なものになってくるでしょう。
全体的にビジネスパーソン向けに書かれていますが、個人にとっても大事なスキルになってくるはずです。
最近では、個人でYouTubeなどを使って何かを発信したり、事業を起こしたりという人も増えています。
そういう人たちにとっても、この戦略的思考は必要となってくるでしょう。
そういう意味でこの本は、ビジネスパーソンのみならず、個人にもおすすめの一冊です!
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