今回紹介する本は、山口拓朗さん著『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』です。
社会人ともなると、誰かに何かを説明したり、報告したりといった場面は誰もが経験することでしょう。
特に会社員として働いていると、上司やリーダーに現状や結果を報告することは多々あると思います。
ただ、こういう場面で伝えたいことをうまく伝えられないという人も多いのではないでしょうか?
では、なぜ伝えられないのか? それは、伝えたいことの要点がまとまっていないからです。
要点を的確にまとめていくために必要なのが、この本で紹介されている「要約力」。
この「要約力」を身に付けることにより、きっと伝えたいことをうまく伝えられるようになるでしょう。
この記事では、ライターやブロガーとして活動している僕が、この本のなかで特に気になった箇所を抜粋して、感想を書いてみました。
なお、今回は日本実業出版社様よりご献本いただきました。
では、『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』を紹介していきましょう!
目次
9割捨てて10倍伝わる「要約力」 〜 著者紹介
あらためて、今回紹介する本はこちらです。
著者である山口拓朗さんは、伝える力【話す・書く】研究所所長で、山口拓朗ライティングサロンを主宰されている方です。
出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立されており、まさに「伝える」ということに関するスペシャリストです。
著書も多数あり、僕もそのうちの1冊を拝読させていただき、書評記事も書いています。
【参考記事】『何を書けばいいのかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』 by 山口拓朗 〜 日頃から文章を書くことに悩んでいる人におすすめの一冊【ブック・書評】
そんな山口さんが、伝えるための「要約力」について紹介しているのがこの本です。
「要約力」とは?
「要約力」。単語からはなんとなく想像できるかもしれませんが、 どういったスキルなのでしょうか。
この本のなかでは、次のように定義されています。
「要約力」とは、情報のポイントをつかみ、場面に応じて、簡潔かつ論理的にアウトプットする能力のことです。
ポイントは「情報のポイントをつかみ、場面に応じて」というところでしょう。
単に伝えたい情報を的確に伝えるのではなく、伝える相手、場面に応じて伝える方を変えるということです。
これは会社で仕事をしている人であれば、なんとなく理解できるのではないでしょうか。
同じ情報であっても、自分のリーダーに対してと、時間が限られている上司に対してでは伝え方が変わってくるはずです。
この本では、その「要約力」について、実際の事例なども交えながら紹介されています。
僕がこの本を読もうと思ったきっかけ
この本で紹介されている「要約力」が必要となる人は、主に会社員をはじめ、誰かに何かを伝える必要がある職業としている人(ライターやブロガーなど)です。
僕もフリーランスのライター、ブロガーとして活動しています。
誰かに情報を伝えるということをやっているわけです。
常に情報を分かりやすく、的確に伝えるかということを意識して記事を書いています。
その上でこの本に書かれている「要約力」はとても重要なスキルだと思ったのです。
そのスキルを学びたいということで、今回この本を読んでみることにしました。
ライター、ブロガーである僕がこの本を読んでみて感じたこと
僕はライター、ブロガーとして活動しているので、その立場からこの本を読んで特に気になった箇所の感想を書いてみます。
究極の要約とは「死んでもこれだけは言っておく!」
要約とは、伝えたいことを的確に伝えられるように文章をまとめることです。
伝えたいこと以外の無駄な話題や余計な話題はノイズでしかありません。
それをいかに減らしていくかが、この要約のキモとなります。
そこで、究極となるのが「死んでもこれだけは言っておく!」を伝えられるか。
一番伝えたいことを伝えられないことには、要約の意味がありません。
これはサイトやブログの記事を書く際にも言えることです。
記事を書く前には必ず、その記事で伝えたいことを決めます。
日記記事などそうではない場合もありますが、基本的に記事執筆前にその記事で何を伝えるのか決めます。
そこで大事なのは、やたらめったら伝えたいことを増やさないということ。
記事を書く際によく言われるのが「1記事1テーマ」で書くこと。テーマが多すぎるとその記事で何を伝えたいのか読者が分からなくなってしまいます。
なので「死んでもこれだけは言っておく!」を決めておくことは、記事を書きやすくする上でも大事なことです。
僕も記事を書く際には、その記事でテーマを1つ決め書くようにしていますが、要点が絞りきれていないことも多々あります。
伝えたいことをしっかり伝えるためには、「死んでもこれだけは言っておく!」ことをはっきりさせ、もっと要点を絞って書かねばと思いました。
伝える相手を明確にする
ただ、「死んでもこれだけは言っておく!」ということが、相手によって変わってくる場合もあるでしょう。
たとえば、”あるスポットの素晴らしさを伝えたい!”と思っても、そのスポットのどの部分の素晴らしさを伝えるのかは相手によって変わってくるはずです。
グルメ好きな人に伝えたいのであれば、そのスポットで提供される料理のことになるでしょう。また、旅行好きな人に伝えたいのであれば、そのスポットから見える風景や建物になるでしょう。
だから、「死んでもこれだけは言っておく!」ことを考える上では、まず伝える相手を明確にしておくといいわけです。
これも記事を書く上で言えることで、記事の執筆前には読者ターゲットを決めます。
そうすることで、文章の書き方や書く内容がしぼれて書きやすくなるのです。
だから、伝えたい相手をしっかり決めておくと、「死んでもこれだけは言っておく!」こともより絞れてくるというわけですね。
あらためて、記事の読者ターゲットをしっかり決めておくことが重要であることが理解できました。
要約は「①情報収集→②情報整理→③情報伝達」の3ステップで
同じ「死んでもこれだけは言っておく!」ことでも、伝えたい相手によってその内容は変わってきます。
その情報に疎い人に伝える場合には、できるだけ分かりやすく伝える必要があります。
一方、その情報をある程度知っている人であれば、基本的なことよりもより詳しいことを伝える必要があるでしょう。
つまり、伝える相手によって情報の内容を変えていかなくてはいけません。
そのためには、どんな相手であっても伝えられるように、できるだけ関連情報を集めておくことが大事でしょう。
この本では「①情報収集」、「②情報整理」、「③情報伝達」の3ステップが必要だと書かれています。
僕も記事執筆時には、いろんな情報を調べて記事を書くようにしています。
なので、この3ステップの必要性は十分に理解できました。
この本には、それぞれのステップごとにその方法が紹介されています。
事例も紹介されているので、実際の場面での使い方がイメージしやすいでしょう。
また、テンプレートも紹介されているので、それを実際に活用してみることもできます。
僕は「②情報整理」、「③情報伝達」のところが弱いと感じているので、記事を書く際にはこの2ステップで紹介されていることを活用してみようと思います。
『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』〜 オススメしたい人
この本を読了してみて、特にオススメしたいのは次のような人です。
- 会社でリーダーや上司に報告したときに、話が分かりづらいといつも言われる人
- 人と会話していて、話していることがなかなか伝わらない人
- 文章をうまくまとめられない人
上記に該当する人は「要約力」が低い人と言えます。
こういう人は、ぜひこの本を読んで「要約力」を身に付けてみてください!
あとがき 〜 あらゆる社会人に必要な伝えるスキルが学べる一冊
今回は、山口拓朗さん著『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』を紹介してきました。
この本で紹介されている「要約力」は、会社員やライターなど、誰かに何かを伝える必要がある職業の人が身に付けておきたいスキルです。
ただ、そのような人だけではなく、あらゆる社会人が誰かに何かを伝えるという場面に遭遇するはずです。
という意味では、この「要約力」はあらゆる社会人に必要なスキルといえるでしょう。
オススメに該当する人だけではなく、「自分が話していることや書いていることがうまく伝わっていないな」と感じることが多い人は、ぜひこの本に読んでみてはいかがでしょうか。
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