僕は毎日ライティング記事やブログ記事を書いているため、日々、文章について学んでいます。
これまでにも、日本語の基本的な書き方は学んできましたが、今だに言葉の使い方をはっきり理解してなく、漠然と言葉を使っているときもあります。
そんな時に見つけたのが、今回紹介する高橋 廣敏さん著『伝わる文章の書き方』です。
この本にはこれまで僕が学んできた、分かりやすく伝えるための基本的な日本語の文章の書き方が書いてあるのはもちろんのこと、これまで僕が漠然としていた使っていた言葉の正しい使い方についても書かれています。
今回はこの本の中から僕が新たに学んだことを中心に紹介していきます!
目次
伝わる文章を書くには……
今回の本の著者である 高橋 廣敏さんは、代々木ゼミナールにて現代文・小論文の講座を担当した講師の方です。小論文を教えているので文章作成のプロと言える方です。
その高橋さんが書いた本が今回紹介するこの本です。
この本では高橋さんが講義で教えていることをもとに、分かりやすく伝わる文章の書き方について書かれています。
では、伝わる文章を書くにはどのようにすればいいのでしょうか。高橋さんはこのように書いています。
文章を書くときには、読み手の立場に立って、相手に伝わりやすいように気を配ることが大切です。
このことは、これまで読んできた本の中にも当然のように書かれており当たり前のことなのですが、なかなかできていないものです。
では、相手に伝わりやすい文章とはどのような文章なのでしょうか。
高橋さんは「日本語として正しい文章」だと書いています。日本語として不自然な文章だと、読み手が内容を理解する以前に文章を読む作業に疲れてしまい読む気を失ってしまうからです。
この本の中では、この日本語として正しい文章にするための方法が93のポイントにまとめられています。
今回はこの中からいくつかを紹介します。
意外とわかっていない言葉の使い分け方
この本の中には記念的な日本語の文章の書き方も書かれていますが、これまで僕が漠然と使っていた言葉に対する正しい使い方についても書かれています。
これまで漠然と使っていたために、このことを知ってスッキリしました。
そのいくつかを紹介します。
場合によって漢字とひらがなを使い分けるべき言葉
日本語の中には、漢字でもひらがなでも表現できる言葉があります。たとえば「こと」という言葉です。この言葉はひらがなで「こと」と書く場合もありますし、「事」と書く場合もあります。でも、僕はこの違いがはっきり分かっていませんでした。
しかし、この本にはその使い分け方がはっきり書かれています。次のような使い分け方です。
事 ⇄ こと
・全力で事に当たる必要がある。(具体的な出来事や事件)
・人生には、苦しいことも楽しいこともある。(抽象的な事柄)
その他にも似たような言葉があります。
物 ⇄ もの
・物には色と形がある。(具体的な物質)
・ものには順序がある。(抽象的な存在)
時 ⇄ とき
・朝目覚めた時、気温は氷点下だった。(特定できる時間や時刻)
・緊急のときは、この電話番号に電話してください。(場合)
所 ⇄ ところ
・源泉の湧き出る所を確認したい。(具体的な場所)
・天候は、ところによって雨のち晴れである。(抽象的な場所)
つまり、具体的に特定できる場合は「漢字」、抽象的で漠然としている場合は「ひらがな」だということなのですね。
これまでこの違いがよく分からず、漠然と使っていた僕は非常に納得させられました。
原因・理由を表す言葉の使い分け方
原因や理由を表す言葉として「ので」と「から」があります。この言葉も僕ははっきりと使い分け方を理解していませんでした。
これは次のように使い分けるようです。
・客観的な因果関係の場合 → 「ので」
・主観的な因果関係の場合 → 「から」
たとえば、次のようになります。
- 「バスが遅れているので電車を使う」(バスが遅れているという客観的事実)
- 「雨が降りそうだから傘を持って行こう」(雨が降りそうという主観)
これらの言葉は原因や理由を説明するのに使いますが、感覚的に使っていたのでこの使い分け方を知ってスッキリしました。
因果関係を表す言葉の使い分け方
因果関係を表す言葉の中にも漠然と使っていた言葉があります。それが「おかげ」「せい」「ため」です。
これらは次のように使い分けるようです。
・原因(=恩恵)→ 結果が自分にとってプラスの場合 → 「おかげ」
・原因(=影響)→ 結果が自分にとってマイナスの場合 → 「せい」
・原因(=影響)→ 結果が自分にとってプラス・マイナスどちらとも言えない場合 → 「ため」
たとえば、次のようになります。
- 「同僚が仕事を手伝ってくれたおかげで、無事に終わらせることができた」(仕事を無事に終わらせたというプラスの結果)
- 「同僚が会社を休んだせいで、今日やるべき仕事が増えた」(やるべき仕事が増えたというマイナスの結果)
- 「上司が会社を休んだために、早く退社できた」(早く退社できたというプラスの結果)
- 「上司が会社を休んだために、仕事の相談ができなかった」(相談ができなかったというマイナスの結果)
これも原因や理由を表す言葉と同様に感覚的に使っていました。なんとなく「おかげ」はよい意味で、「せい」は悪い意味でという感じで。
こうした使い分け方ははっきりと教えてもらっていなかったので理解できてよかったです。
推量を表す言葉の使い分け方
最後にもう一つ、推量を表す言葉の使い分け方について。推量を表す言葉には「だろう」「らしい」「ようだ」があります。
そして、これらの言葉は次のように使い分けるようです。
・主観的な判断に基づく推量 → 「だろう」
・ある程度客観的な事実に基づく推量 → 「らしい」
・主観的判断 or ある程度の客観的事実に基づく推量 → 「ようだ」
これらはたとえば、次のようになります。
- 「私が応援する野球チームは今日きっと勝つだろう」(主観的判断)
- 「近所に新しいお店がオープンするらしい」(客観的な事実)
- 「若い人は飲み会が嫌いなようだ」(主観的な判断 or 客観的事実に基づく推量)
最後の文章は書き手の主観的な判断とも言えますし、データなどから若い人の飲み会離れが見受けられるという客観的事実からの推量とも言えます。
このように似たような使われ方をする言葉にもきちんと使い分け方があるのですね。
使い分け方を理解できてスッキリしましたが、僕はこれまで漠然に使っていただけにしばらくは使い分けを考えながら使うことになるでしょう。ただ、いずれ慣れて考えなくても使い分けできるようになるでしょうが。
文章を伝えやすくするためには……
ここまで書いたように、日本語の言葉の使い方に気をつければある程度伝わる文章は書けます。
ただ、さらに伝わる文章にするためには、次のことが大切だと書かれています。
「1つのことを誠実に伝える」
大切なのは、文章の中で言いたいことを1つにしぼり、その1つのことを誠実に読み手に伝えようとすること。
結局、分かりやすい文章は、1つの文章の中に主語と述語が1つずつしかなく、修飾語があまりない文章だと言えます。1つの文章でいろんなことを伝えようとするあまり、かえって分かりづらくなっている文章をたまに見かけます
僕もこのことをなるべくこころがけているつもりですが、ときにいろいろと詰め込みすぎてしまうこともあります。
伝える文章を書くのに大事なことは、書き手が伝えたいことをしぼって、余計な装飾をせず、そのことだけを伝えることだということですね。あまりダラダラとした文章にならないように気をつけたいものです。
まとめ
この本には、ここで紹介した以外にも、日本語の基本的な文章の書き方が紹介されており、とても勉強になります。
僕が学生の頃、国語が苦手だったので、文章の書き方についてあまり自信がありませんでした。ただ、読書は好きなので、文章の書き方はある程度、感覚的に理解していました。
でも、今回紹介した言葉のように漠然と使っている言葉も多々あり、これまで書いた文章でうまく伝わっていないことも多かったのかもしれません。
今回、この本を読んで、これまで学んできたことを振り返るとともに、漠然と使ってきた言葉の使い方を理解できました。
日本語の文章の書き方を学ぶたびに”日本語って本当に難しい”と感じるのですが、そうだからこそ日本語の文章は奥深く、いろんな表現ができるでしょう。
でも、そのためには、日本語の書き方をしっかり理解する必要もあります。
この本を読めば、そんな日本語の基本的な書き方、そして伝わる文章の書き方を学ぶことができます。
ブログなどで文章を書いているけど、書き方に自信がない人はこの本を一度読んでみられることをオススメします。
この本を読めば、きっとあなたの文章がさらに「伝わる文章」になることでしょう!!
『伝わる文章の書き方』書籍情報
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