エッセイ

うつ病から学んだこと 〜 数年前までうつ病患者だった僕が今、伝えられること

僕はこれまで何人かの人には話したことがありましたが、公にしていなかったことがありました。

それは「うつ病を患っていたこと」です。

うつ病になることは決して悪いことでもなんでもありません。一つの病気なのですから。

でも、そのことをなかなか公にはできずにいました。自分の中でそれを公開することは”恐い””周りの人から変に思われてしまうのではないか”と思っていたんですね。

それが、ここ何日か自分の価値のことを考える時間が多くなり、そんなこと公開しても自分の価値は下がらないと思えるようになったのです。さらに公にすることで、いま現在うつ病を患っている人の励みになるのではないかと思ったのです。

ということで、今回、自分の殻を破るためにも、うつ病だったことを公開することにしました!

「うつ病だった」と書いているように、いま現在は通院することもなく、薬も飲んでいません。完治とはいかないまでも、精神的には安定しています。

でも、うつ病を患っていた時は、辛い日々を送っていました。ただ、うつ病から学んだこともありました。

ここでは、うつ病を患ったことで学んだこと、いま現在に生かされていること、そして今現在うつ病を患っている皆さんに向けてのメッセージを書いていきたいと思います。

うつ病になったきっかけ

僕はその当時、某大手企業でシステムエンジニアの仕事をしていました。仕事は大変でしたが、システムを構築するという作業には楽しさを感じてはいました。

ただ、もともとシステムエンジニアの仕事は希望していた職種ではありませんでした。それでも入社2〜3年目までは新しいことを学ぶ楽しさで、それなりにやりがいも感じていました。

しかし、だんだんと仕事に対する違和感を感じ始めたのです。

そんな矢先、一緒のチームだった先輩が別の部署に異動することになりました。この時、同じチームにはその先輩と僕の2人(他に協力会社の人たちがいましたが)しかいませんでした。ということは、そのチームは僕1人だけになるということを意味しています。つまりチームのリーダーになるということです。

それは入社5年目29歳の頃の出来事でした。確かに5年目ともなれば仕事を任せられる年齢ではあります。

しかし、チームに僕1人しかいない、チームリーダーになるというプレッシャーが僕にのしかかってきました。さらに仕事に違和感を感じていたので精神的に不安定な状態になったのです。

それからです。体調がだんだんとおかしくなってきました。

夜はあまり眠れなく、朝もきちんと起きられず会社に遅刻することも多くなってきました。会議中もイライラすることが多く、声を荒げることもありました。周りも何か変だと薄々感づいていたのではないでしょうか。

しばらくその状態で仕事を続けていましたが、結局、その当時の課長からも促され、初めて精神科の病院に行くことにしました。

そこで言われたのが「うつ病」だったのです。そして、しばらく仕事を休んだ方がいいと言われ、2週間ほど(だったと思います)休むことになりました。課長にはそのことを伝え、会社を休ませてもらうことになったのです。

しかし、これだけで治るわけではありませんでした。

うつ病と戦う日々

結局2週間ほどでは治りませんでした。

毎日、あまり眠れなかったり、気力がわかなかったり、気分が落ち込んだり、体がだるかったりといった日々が続きました。ひどい時は、”本当に死んでしまおうか”と考えたこともありました。

そういう日々が続き、結局2年間会社を休むことになってしまいました。

2年間休んだ後は、上記の症状もほとんどなくなり、簡単な仕事ができる状態にはなっていました。

そして、職場復帰したのです。

しかし、これで終わりではありませんでした……

ある衝撃的な出来事により再発したうつ病

この後、再度、僕にとって衝撃的なことが起こり、うつ病を再び患うことになってしまいました。

その衝撃的なこととは「父親の死」です。突然のことでした。享年60歳でした。特に大きな病気にはかかっていなかったので、突然すぎて頭がパニックになってしまいました。
また、職場復帰して1年も立っていないにもかかわらず仕事量もかなり増えていました。

これらのことが原因となり、再びうつ病を患うことになったのです。

この時も結局2年近く会社を休むことになりました。そして、職場復帰。

それ以降は、仕事も軽減してもらえ、うつ病を理由として会社を休むことはなくなりました。

ただ、仕事への違和感を感じていたため、精神的な不安定は残っていました。

仕事に対する違和感を解消するために

職場復帰しても仕事への違和感は感じていたため、悶々とした日々を過ごすことになりました。

そんななか考え始めたのが「一度きりの人生なのだから、悔いが残らないように自分がやりたいことをやっていこう!」ということです。

ただ、それまでそんなことを真剣に考えてこなかったので、何をやりたいのかすぐには思いつきませんでした。ということで、自分が興味を持ったことはまずやってみることにしました。その中の一つがこの「ブログ」です。

自分が生きてきた証をなんとか残したいと思ったのです。

そして、この「ブログ」が僕を変えるきっかけとなりました。始めた当初は書くネタもなく、更新するのが大変でしたが、続けていくうちにだんだんと更新するのが楽しくなってきました。そして、読んでくれる人に役に立つ情報を届けたいとネタや書き方も工夫するようになってきました。

さらに、プロブロガーで僕が勝手にメンターとして慕っている立花 岳志さん(@ttachi)を筆頭に、たくさんのブロガー仲間の方々とお知り合いになることができました。

そして、そうこうしているうちに、2年前の2016年にあるきっかけでそれまでの仕事を辞めることになり、現在はWEBライター、ブロガーとしてやりたいことができるようになりました。

結果的に自分がやりたかったことを10年近くかけて見つけることになりましたが……(長すぎ!(笑))
自分がやりたかったこととは、「自分をなんらかの形で表現すること」だったんですね。

うつ病を患って「自分がやりたいことをやっていこう!」と考え始めたことが、いま現在に生かされることになったわけです。

僕がやっていたシステムエンジニアは、社会の大事なシステムを作り上げるという重要な職種です。

しかし、その職種には、このやりたいことができる場がなかったんですね。だから、違和感を感じていたわけです。

今の仕事の収入は、まだまだシステムエンジニア時代ほどではありません。
しかし、自分がやりたかったことができていることの方が大事でしょう。一度きりの人生なのですから。

このように、僕はうつ病を患うことで、それまでの考えを改めることができ、新たな人生のスタートを切ることができたのです。

うつ病を経験して学んだこと

うつ病を経験して学んだことは

「結局、会社には自分の代わりになる人がいるのだから、自分1人で抱え込んで頑張らなくていい!」

ということです。

会社という組織では常に仕事を動かしていかなければいけません。誰かがその仕事をしていけばいいのです。それは自分である必要はないわけです。

だから、自分が今やっている仕事のために自分1人で抱え込んで頑張る必要はないということです。

僕は周りの人に任せたり相談したりせず、1人で進めるタイプだったので、特に1人で頑張りすぎていたのかもしれません。

しかし、このことを学んだことで、仕事に対して気持ちが楽になりました。

うつ病を患う人には僕のように仕事を抱え込んでしまう人が多いようです。逆にいえば責任感が強い人が多いんですね。自分でなんとかしなければという責任。

でも、その責任感が逆に会社に迷惑をかけてしまうということも学びました。今の僕だったら、「そんなに自分1人で頑張らなくていいよ!」と言ってあげられると思います。

こんなことをうつ病を患うことで学ぶことができました。

現在、うつ病を患っている皆さんに向けて

最後に、現在うつ病を患っている皆さんに向けてメッセージを届けたいと思います。

うつ病は本当に大変な病です。今、患っている皆さんは本当に辛い毎日でしょう。

しかし、それもいつか晴れる日がきます。

大事なことは、うつ病を患ったことを自分を見つめ直すきっかけにすることです。今は、そんなこともできない状態かもしれませんが、ちょっと気分が落ち着いた時があれば、少し自分を見つめ直してみましょう。

うつ病になったきっかけには自分の考え方が原因となっていることも多々あります。それを自分を見つめ直してみて探してみるのです。

この時に、その自分の考え方が悪いものだとは決して思わないようにしてください。その考え方は決して悪いものではありません。それまで生きていくなかで必要だったのです。ただ、その考え方がうつ病の原因になってしまったというだけです。

今までの考え方を突然変えるのは難しいですが、意識するだけでもだいぶん違います。そして、その考え方に対して”本当に正しいのか?”と疑問を持つことも大切でしょう。

うつ病は必ずよくなります。それまでは自分を見つめ直す貴重な時間を神様が与えてくれたと思って、ゆっくり治療に専念してください。

焦る必要はありません。人生はまだまだ長いのですから!

 

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